メタクリラジオ第34回は、Opiの「タムカイさんさ、はい、承認欲求の話しようよ」から始まる。タムカイの問いは、食欲は満腹になれば落ち着くのに、承認欲求が満たされるときは来るのか、というものだった。二人がたどり着いたのは、承認欲求は満たされて消えるのではなく、より希少な承認へ移っていく、という見方だった。終わりがないからこそ、健全な付き合い方がありそう。そして同じ欲求は、教える場面で裏返ると「許せなさ」になる。
この回の核心
承認欲求を良い悪いで裁かず、満たされると何が起きるかで読んだ回だった。Opiはマズローの五段階が企画書に出てきたら「秒でその後見ない」と言い、自前の切り方を出す。横の承認欲求は誰かに見られること、「縦の承認欲求は、お天道様が見てるんだよ」。それでも「1回ぐらいはちやほやされたいよね」と本音もこぼれる。タムカイは、自分の中で「お裾分け心」と「すげえと言われたい欲求」が近いところで混ざり合っていると認める。欲求をなくす話ではなく、それがどこへ向かうかを見ていく話になっている。
話の流れ
ドラマのタイトルバックを手がけていたOpiは、最初の一年はエンドクレジットをなめるように見ていた。けれど慣れると、1回目も見なくなった。それでもNHKに出ると電話とメールがすごく来るし、電柱が倒れた前でインタビューを受けると「すげえ勢いでメッセージが来る」。タムカイは「実績は電柱の方にあるから」と返す。ALFEEのライブでは、花道の最前列に小太りのおじさん3人が並んだ。高見沢さんは男のファンが好きらしい、という話も出る。大里Pのお便り「慣れると欲求って変わっていっちゃいますよね」を受けて、タムカイは、閾値を超えるとおっさんの「ウォー」の方が嬉しい、「少ない分」と言う。
カラオケの話では、Opiが「最初の3人で流れは決まるよね」と言う。タムカイは、自分はロジックで積んでいくから「そうきたか」になれない、だからこそ人のそうきたかの方が嬉しい、と話す。後半、Opiはついに映像に手を出す。AIを教える立場になった以上、「マウントを取らないといけない」。シンタクさんに頼まれてOpiが開いた講義は、タムカイいわく「初心者向けのはしごみたいなこと一切考えないまま設計された」ものだった。タムカイとシンタクさんは「はあって顔で一時間」。Opiの結論は「あのね、許せなさが出ちゃうのよ」だった。最後は、「タムカイさんさ」が僕らのリズムになっていて、ここではカラオケと同じだ、と番組自身の始まり方に戻ってくる。
創造性の構造 27 でいえば
04. 欠落と渇望 が一番近い。承認への渇望は満腹にならず、満たされるたびに希少な方へ向きを変えていく。この回は、その動き方をエンドクレジットとALFEEの最前列で見せている。
19. 受容者の設計 も重なる。カラオケの最初の3人や縛り、初心者向けのはしごは、どれも受け手がどこから入れるかの設計の話だった。Opiの講義と「許せなさ」の話は、その設計の難しさを自分の身で示している。
承認欲求は消すものではなく、誰からの承認を嬉しいと思うかが、いまの自分を教えてくれる。
