メタクリラジオ第32回は、テーマとは何かを話しているうちに、番組自身のテーマが出てきた回だった。台風や欠航のトラブル譚から始まり、テーマとコンセプトの違いを米津玄師の曲でこねていくうちに、「一応我々のテーマは創造性でしょう」「コンセプトとしてメタクリエイティブでしょう」という自己定義にたどり着く。着地は「説明は事後的に立ち上がる」だった。前半の雑談も後からテーマの一部だったと分かり、回の運びそのものが結論の実演になっている。
この回の核心
最初に出てくるものは混沌としていて、そこに何があったかは、後から誰かに見つけられて初めて言葉になる。Opi は「説明はさ、いつも事後的に立ち上がるわけじゃない。最初のアウトプットはもうちょい混沌としてて」と言う。タムカイは尾原さん回でルサンチマンという言葉を入れた理由を聞かれたときのことを、「入れた時点の僕は全く何も思っていない」と振り返る。
二人がなぜ創造性を扱うのかも、この回で初めて並んだ。タムカイは「自分の創造性が一番怪しいなと思ってて、創造性をテーマにしてる」。Opi は天才のひらめきに見えるものでも「しかるべき入力があって、しかるべき処理がされてて」という仕組みを解き明かしたいと言い、「コンプレックスの裏返しかもしれない」と添えた。
話の流れ
テーマを渡されたのは収録の5分前で、始まりは「台風の話しようよ」だった。那覇便が台風で2便とも欠航し、Opi は東京ではなく西の博多へ向かう。ラスベガス空港での別室送りや名古屋での鍵忘れなど、トラブル譚が続いた。
そこから Opi が「一応教科書的に答えると、テーマはWHATで、コンセプトはHow」と整理して、話はテーマソングへ移る。米津玄師の KICK BACK が主題歌だと言われると「完全にコンセプトソングやん」と感じる。Opi が「ソングがコンセプトなんだよね」と言い直すと、タムカイは「ちょっと待ってください。また面白くなってきたじゃないですか」と応じた。
後半から急にテーマの話になったと言うタムカイに、Opi は「最初からテーマの話してるよ」と返す。最後は「このトラブルシューティングってさ、創造性の発露の一形態だとすごく思うんだよね」の一言で、台風も鍵も回収された。
創造性の構造 27 でいえば
25. 暗黙知の形式化 が一番近い。混沌とした最初のアウトプットに、後から説明が立ち上がる。その順番を、この回は自分たちの番組を材料にして確かめている。
04. 欠落と渇望 も深く関わっている。創造性を扱う動機は自分の創造性への疑いとコンプレックスにある、と二人ともこの回で口にした。
17. 即興性 は前半のトラブル譚につながる。Opi は鍵を忘れても「会えなかった時のプランを考え始める」。タムカイは「発揮せざるを得ない瞬間にどんだけ自分を放り込んでいくか」と言う。
いま意味が分からなくても、出したものの意味は後から立ち上がってくる。

